もし、相手から「ご予算はおいくらですか?」「いつまでに納品すれば間に合いますか?」などと聞かれても、その質問にストレートに答える必要はない。「いくらなら引き受けていただけますか?」「いつまでにご納品いただけますか?」と逆質問して、相手の状況を探るようにしよう。

 先ほどの例でいえば、オープニングオファーを相手に促して、「最低でも10万円はお支払いいただきたい」と条件を提示してもらえれば、あなたはムダに高いお金を支払わずにすむ。

 では、相手のオープニングオファーが自分の希望とあまりにもかけ離れている場合、あるいは相手のオファーが妥当なものかどうかを判断しかねる場合は、どうすればよいか。

 交渉に不慣れなビジネスパーソンは、自分の希望額をありのままに伝えてしまったり、どう対応してよいかわからず無言になってしまいがち。

 それでは交渉のスタートでつまずいてしまう。相手が優位に立ったまま、その後の交渉が進んでしまう。

 相手のオープニングオファーが自分の意向とかけ離れている場合は、すぐにカウンターオファーをするのではなく、相手に「再オファー」を促そう。