2022年大会の招致活動を継続中の都市は、前述の北京とアルマトイにノルウェーのオスロが加わる形となっている。ノルウェーは1994年にリレハンメルで冬季五輪を開催した経験を持つが、5月に行われた世論調査では回答者の約60パーセントが2022年大会をオスロで開催することに反対している。

 ノルウェー政府はオリンピック開催に政府が財政支援を行うかについて、秋に政府の見解を発表するとしているが、莫大な額の税金を投入してまでオリンピックを開催することに意義はあるのかという議論が国内には存在する。最新の世論調査では、オリンピック開催反対派が初めて50パーセントを切ったものの、国内には依然としてオリンピック招致反対派の声が根強い。

 IOCは今月中に立候補都市の絞り込みを行い、来年7月に開催都市を決定する予定だが、盛り上がりに欠けており、北京とアルマトイの一騎打ちになる可能性が高い。開催地に立候補する都市の減少が2022年大会だけの話で終わるのか、もしくは今後のトレンドとして続くのか。IOCも「カネのかからない五輪」を積極的にアピールし始めた。

170人に膨れ上がった「顧問会議」
選出理由がはっきりとしないケースも

 2020年東京オリンピック・パラリンピックの話題に戻そう。

 コストカットを目的とした競技会場計画の見直しに頭を抱える競技団体や民間企業もすでに出始めているが、とにかくコストのかかる五輪の大会運営に「ノー」と言う自治体や国が世界規模で増え始め、その状況をIOCも課題の1つとして受け止めている。そのなかで、「コンパクトな大会運営」を目指す東京が会場計画の見直しに踏み切ったのは決して間違った選択ではないだろう。

 しかし、先月設置された総勢170名の「顧問会議」はコンパクトな大会運営という理想からかけ離れていないだろうか。

 東京オリンピック・パラリンピック組織委員会は先月5日に開いた理事会のなかで、理事会に助言を行う「顧問会議」の設置を決定し、各界から選ばれた170名の顧問が承認された。また、これとは別に8名の特別顧問も発表され、日本オリンピック委員会最高顧問の堤義明氏や元国連難民高等弁務官の緒方貞子氏らが就任。顧問会議の議長は安倍晋三首相が務める。

 組織委員会の会長を務める森喜朗元首相は170人に膨れ上がった顧問会議のメンバー数について、「招致で多くの皆さんにご協力いただいた。そういう団体から最優先で入ってもらった」とコメントし、論功行賞的な意味合いを示唆している。

 顧問会議には王貞治氏や高橋尚子氏といったスポーツ界のキーパーソンの他に、日本体育協会の会長を務める張富士夫・トヨタ自動車名誉会長や、新経済連盟の代表理事としても活動する三木谷浩史・楽天会長といった経済界の重鎮の名前も並ぶ。

 芸能界からも泉ピン子氏や紺野美沙子氏、夏木マリ氏らが顧問に就任しているが、どのような基準で170人ものメンバーが選ばれたのかについては、組織委員会からの具体的な説明はない。