4万円にしてほしいと思ったら、まずは「3万円にしてほしい」と、後でさらに譲歩できる金額からオファーを始める。
このような方法は、交渉術の用語で「ドア・イン・ザ・フェイス(門前払い)」と言われる。最初に門前払いされるようなハードルの高い要求をして相手に断られると、次のハードルの低い要求がその相手に受け入れられやすくなるのだ。
これは、何らかの借りができると、その相手にお返しをしなくてはという気持ちになる人間の心理を利用した方法。
最初に「3万円にしてほしい」と言ったあなたが「3万5000円まで支払います」と譲歩をすれば、相手は「自分も歩み寄らなくては」と考え、最終的には5万円から4万円に譲歩してくれるかもしれない。
もちろん、すぐに限界まで譲歩してはいけない。
「3万5000円ではどうですか?」「3万7000円ではどうでしょう?」などと徐々に譲歩していけば、もともとの希望額の4万円はもちろん、それより安い価格で購入できる可能性も大いにあるのだ。
大切なのは、少し図々しいくらいのオファーを堂々と提示すること。その勇気があれば、その後の交渉をラクに進められる。