そして、ここが大事なところですが、デフレの下で格差の緩和が進めば、アメリカ国民にもいままでのインフレ政策は間違っていたのだという正しい認識が広まるはずです。そうなれば、時の政権もFRB(連邦準備制度理事会)もインフレ政策を推し進めようとするのが難しくなっていくでしょう。

アメリカではもう共和党の大統領は生まれない

 いまのアメリカの人口推移を見ると、今後は共和党の大統領が誕生するのは難しくなると思われます。アメリカではヒスパニックの人口が右肩上がりに増えており、この人たちの大多数が民主党を支持しているからです。

 次の大統領選挙が、共和党が勝つ最後のチャンスで、それを逃したら、おそらくもう二度と共和党が大統領選で勝てる機会はないでしょう。

 日本の安全保障の観点からいえば、共和党の大統領のほうが望ましいのですが、民主党を支持する人々が増えていく流れは止められません。オバマケアの失敗などによって、オバマ大統領の支持率は下がっても、民主党の支持者は順調に増えていくわけです。

 それはアメリカの政治の大きな潮流です。人口の構成比、政党支持層の構成比の違いがそういう大きな潮流をもたらすのです。

 政治にしても、経済にしても、そういった大きな流れを考えていかなければなりません。