欧州の石油メジャーも、おそらくアフリカや南米での資源開発を進めていくと思われます。とにかく経済的合理性からいっても、こうした大きな流れを変えることはできないでしょう。

給料は上がらないが、
豊かな生活が送れる世界が待っている

 ここで、話を私たちの生活に結びつけてみましょう。

 私たちが毎月支払う電気代はこれから確実に下がっていき、最終的には現在の2分の1になっているかもしれません。また、私たちの生活に欠かせない自動車は、あと10年ほどはハイブリッド車が主流でしょうが、2025年頃には、ハイブリッド車に代わる究極のエコカーがそれに置き換わりはじめているはずです。

 あるいは、新しいエネルギーですべてを賄う都市が建設され始めているでしょう。有害な排気をいっさい出さない、クリーンで快適な都市です。

 そして、エネルギーコストの低下とともに製造業も国内に帰ってきて、人々の職場も増えているはずです。

 デフレが進むので、賃金は上がりませんが、それより物価がどんどん安くなるので暮らしはいまよりずっと楽になっているでしょう。所得格差も縮小していきますから、人々の不満や不安も少なくなり、多くの人がコミュニティを大事にしながら穏やかに暮らせるようになっているでしょう。

 歴史をよく検証し、経済合理性を根幹に据えて将来を予測すると、このような世の中の姿が見えてくるのです。


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