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ザッポスが全社員の肩書き廃止へ
官僚主義を破壊する挑戦は成功するか?

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第304回】 2014年7月16日
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 いかにも民主的で自律的な組織だが、ホラクラシーは仕事が達成されるよう仕組まれた組織のあり方とされている。従来の組織は、技能を持つ社員を適所に配置してきたということになっているのだが、すぐに官僚主義がはびこってうまく機能しなくなる。

 その点、ホロクラシーは社員がいくつかの技能を試すこともでき、また上司の陰に隠されて能力が発揮できなくなることもなくなる。またサークルは定期的に組み換えられるので、組織全体はフレキシブルになり、世の中の変化にも対応できるというわけだ。ホロクラシーを運営するためのウェブソフトウェアも出ている。

ホロクラシーには
反対のマネジメント専門家も

 さて、ザッポスは昨年からこのホロクラシーを少しずつ導入し、今年末までに約1500人いる社員全体をサークルで組織して、導入を完結させる計画だ。ホロクラシーを導入するのは、「組織が大きくなるにしたがって硬直化が進み、官僚主義的になって扱いにくくなった」ことが理由と、同社は説明している。

 ホロクラシーを導入している会社はザッポス以外にもある。ツイッターの共同創設者のひとり、エヴァン・ウィリアムズが作ったメディア会社ミディアム、生産性の権威で、『ストレスフリーの整理術』などの著書があるデビッド・アレンの会社などだ。

 ホロクラシーについては、みなが賛同しているわけではない。無効であることがわかった新手のマネージメント論はいくつもあり、また「すでに大企業になった組織にはそぐわない」という意見もある。

 それでも、舞台はザッポスだ。同社でホロクラシー導入がどういう結果をもたらすか。マネジメントの関係者らは興味津々で見守っている。

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瀧口範子
[ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。

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