創業者トニー・シェイの著書『顧客が熱狂するネット靴店 ザッポス伝説』(ダイヤモンド社刊)がベストセラーになった、インターネットで靴を販売しているザッポスにも取材に行きました。こちらの会社は、顧客の心を揺り動かすためなら、ほとんど何をしてもいい、と言われるほどの裁量権をコールセンターのオペレーターが持っています。ここで、感動のサービスが日々生まれていることが本には記されているわけですが、実際に社員は本当にイキイキと伸び伸びと仕事をしていました。まさにエクセレントカンパニーとして、あたらしい働き方を実践している会社といえます。ザッポスの人事担当マネージャーであるホリー・ディレイニー氏にお話を伺いました。(撮影・編集部)
会社の持っているカルチャーに合うか合わないか
ホリー 社員の採用にあたっては、50%はその人が持っているスキルを見ます。そしてもう50%はザッポスのコアバリューに照らし合わせます。その人が持っている価値観が、ザッポスの持っている文化にどれだけフィットしているか。それによって選考が行われます。コアバリュー(企業理念)は1から10までありますが、実際に自分自身が個人としてそれに合致するかどうか、というカルチャーフィットは入社後も確認が続きます。会社が持っているバリューと、自分の価値観が個人としても一致し続けるかどうかは極めて重要です。
本田 ザッポスの持つカルチャーに社員は染まらないといけない、ということですね。
ホリー 入社してトレーニングを受けているときでも、もしこれは合わない、ということになったら、退職の道を選択してほしいと考えています。そうしてもらえれば、4000ドルを支払っています。最初は100ドルだったのですが、200ドル、300ドルとだんだん増えていって、とうとう4000ドルになりました。カルチャーに合致する人に入社してもらうということを、それだけシリアスに考えているんです。コアバリューに自分を合致させることができないと思ったなら、それだけのお金を払ってでも辞めていただきたいんです。