UBERはエクスペディア?
お客と事業者のWin-Winが事業成功の秘訣

創業5年で時価総額約2兆円の急成長ベンチャー<br />「UBER」本社で痛感した新交通システムのあるべき姿<br />――米自動運転シンポジウム+シリコンバレー現地速報【中編】本社で対応して頂いた、グローバル広報総括のナイラ・ホールダージアン(Nairi Hourdajian)氏 Photo by Kenji Momota

 ホールダージアン氏との会話のなかで、筆者の心に最も刺さったのが、「我々はエクスペディアのような存在だ」というセンテンスだ。

 エクスペディア(expedia)は日本でも事業展開している、ホテル予約を主体としたネット事業だ。世界各国で、小規模から大手チェーンまでのホテル事業者と宿泊希望者を結びつけることで事業を拡大している。価格は事前支払いや3日以上の連続宿泊などの条件提示によって、それぞれのホテルが自前で運営するウェブサイト上の表示価格より割安な場合が多い。

 UBERはまさしく、エクスペディアをリムジンサービスに置き換えたアイディアである。リムジン事業者側としては「稼働率を上げたい」、利用者側としては「利便性を上げたい」。それらの要求を刷合わせることを事業化したのだ。

 日本でのUBERに対する各種報道をチェックしてみると、「UBER=割安リムジンサービス」という側面でしか捉えていない場合が多い。そのため、筆者の周辺の日系の自動車産業界やタクシー・ハイヤー業界関係者からは「その程度のビジネスが、これだけ世界的に急拡大している理由がよく分からない」という声を聞く。

 今回のUBER本社取材を通じて筆者が理解したのは「UBERは、どのような交通システムにも対応できる“すり合わせ型事業”」であるという点だ。

 交通システムは国という枠組みだけでなく、各都市で違う。なぜなら、都市構造や人の流れ等の社会の背景は都市ごとに大きく異なるからだ。

「都市ごとに導入しているビジネスモデルが違う。現在も新たなモデルの企画と実現に向けて様々なプロジェクトが動いている」(ホールダージアン氏)。

 2014年7月後半現在、UBERのビジネスモデルは以下の通りだ。