■4月14日

 娘が、観劇に私を誘ってくれた。題名は、「ガマ王子VSザリガニ魔人」(作:後藤ひろひと)。以前に客席を涙と爆笑の渦に巻き込んだヒット作の再演である。演劇好きな娘と「お笑い」好きな私が共通して楽しめる内容だ。久しぶりに娘が誘ってくれたのが嬉しかった。

 終演後、2人で寿司屋に行った。就活の間は、私がいろいろヒヤリングしたが、この日は娘からの質問が多かった。内々定が出て、自分の将来に不安や期待もあるのだろう。

「金融のB社に内定したので、とりあえずFP(ファイナンシャルプランナー)資格を目指すつもり。お父さんは、なぜ弁護士にならなかったの?」

「1年留年して司法試験の勉強をしていたけど、その年も落ちてどうしようかと迷ったんだ。2年を越えて浪人や留年をすると企業に就職する道は極端に狭まる時代だったからね」

「なぜ弁護士を諦めたの?」

「サークルの先輩弁護士に話を聞くと、当時は、土地の係争や離婚、相続などを主に取り扱っていて、意外と地味な仕事で魅力的に思えなかったんだ。それなら就職するかと」

「金融機関に興味はあったの?」

「なかった(笑)。自分の世界を広げたいというか、多くの人に出会いたい気持ちが強かったね。前にも話したように、実家の商売(薬局)を子供の時から見ていて、狭い世界だと感じていたから」

「私は、働いてとにかく経済的にも自立したい気持ちが強いの」

「それも立派な志望動機だね。とにかく働こうというエネルギーがあれば十分だ。所詮、物事はやってみないとわからないんだから。実際の働く動機は、そういうシンプルなものじゃないか」

「でも実際の就活では、それだけじゃ足りない。自己分析をしたり、その会社の志望理由や入社して何をやりたいかを説明することを要求される」

「そうだね。やはり少し無理があるなぁ」

「就活をしていて、何か馬鹿らしいなぁと思うこともあったの」

「だからビジネス街のスタバでは不機嫌な顔をした就活生が溢れているんだ」

「そうかもしれない」