<娘の手記「就活を振り返って」>

 4月後半に私の就職活動は終わりました。「父と娘の就活日誌」を読みながら振り返ると、この数ヶ月間は本当にいろいろなことがあったなぁと感慨深くなります。

 就職活動中は、嫌になるほど自分と向き合いました。「なぜ働くのか」「どんな仕事がしたいのか」「長所は、そして短所は何か」…等々。

 企業選考の第一歩であるエントリーシートから面接まで自問自答を繰り返しました。その中でも、以下の2つの問題で大きく悩みました。

1)入社したい(選考を受けたい)会社をどのようにして見つけるか
2)どこで働くのか(全国転勤でもいいのか、地元なのか)

入社したい(選考を受けたい)会社を
どのようにして見つけるか

 この問題で一番悩んだのが、「自分のやりたいことが分からない」ということでした。

 大学の友人が、「総合商社に行きたい」「○○会社が志望だ」と話しているのを時々耳にしました。しかし、私には、特に強い思いのある企業はありませんでした。

 正直に言えば、「20数年しか生きていなくて、働いた経験もないのに、『どんな仕事がしたい』や『どういう風に働きたいか』なんて分からない。それに、当初は『これをやりたい』と思って入社しても、働くうちに変わるかもしれない。だから、今決めろといわれてもどうしようもない」という気持ちでした。

 また、自己分析(例:自分史を作る)を勧める就職本や就職サイトは多かったのですが、私はあまり乗り気ではありませんでした。心の中に「自分史を作ったとして、それで何が分かるんだろう」という疑問があったからでした。確かに、今まで生きてきた道筋をたどれば、自分の興味や性格は多少分かるかもしれません。でも「自分がどんなことに向いているのか」、「どんな仕事ができるか」には結びつかないだろう、私には机上の空論のように思えました。それなら友人と会って話している方がいいと感じました。

 それでも、行動が必要だと分かっていたので、まずは幅広くいろいろな業種・会社に当たろうと就職活動をはじめました。企業について経済雑誌やインターネットで調べたり、友人と意見交換をしたり、会社説明会に行くうちに、志望がどんどん変化していきました。

 「父と娘の就活日誌」を読めば、最初は最終消費財メーカー志望 (第8回「身近な物を作っている会社がいい」) だったのが、だんだんと中間素材メーカーに移り、更に金融やインフラにシフトしていったのが分かると思います。志望が定まらないことに焦りを感じる時期もありました。周りで志望を固めていく友人が多かったからです。

 でも『自分は自分、他人は他人』と割り切るようにしました。