第101回箱根駅伝・往路・鶴見中継所で2区の走者にたすきを繋ぐ1区の走者ら Photo:SANKEI
箱根駅伝で最長の区間である往路の2区。いつしか「花の2区」と呼ばれ、各校のエースたちが集うようになった。この難コースを制すために、歴戦の名ランナーたちはどんなことを意識して走っていたのか。選手の思考を知ることで、箱根観戦がもっと楽しくなるはずだ。※本稿は、作家の佐藤 俊『箱根2区』(徳間書店)の一部を抜粋・編集したものです。
箱根駅伝2区の最後には
3キロのアップダウンが待ち構える
2区は、山の5区6区とは異なる意味で、もっとも過酷なコースといわれている。
23.1キロメートルのコースは、前半戦と後半戦にきっちり分けられる。
前半戦は下り基調の平坦なコースで、1キロメートル2分45秒前後のハイペースで進む。後半戦は権太坂、ラスト3キロメートルでのアップ&ダウンを経て、最後に「戸塚の壁」が待ち構えている。
自身も花の2区を走った早稲田大学競走部駅伝監督の花田勝彦は、2区攻略についてこう語る。
「コースは、小刻みなコーナーがいくつもあるので、そこで最短コースを取るために、しっかりとコースを把握しておかないといけないと思います。前半のポイントは、飛ばしすぎてしまうと、10キロ過ぎから伸びていかないので、自分なりの速いペースを維持したうえで余裕をもっていくことですね。
後半は、権太坂に向かって徐々に上る感じですが、そこで油断して走っているとペースが落ちてしまう。意識して少しペースを上げるイメージで走ることが、タイムを維持するためには重要です。
戸塚中継所の手前ラスト800メートルの坂は本当にきついんですが、そこは技術的なことよりも気持ちで押し切れるかどうかが大事になってきます」







