自社ニーズに基づく研修を企画し
社内人材に講師依頼を行う「研修内製化」
ひょんなことから研修講師を務めることになってしまったA子さんですが、昨今では、いわゆる「研修の内製化(自社開発)」が人材育成のトレンドとなってきており、社内人材が研修講師として登壇する機会も増えてきています。ですから、ある日突然研修講師を依頼されるということも珍しいことではありません。
また、「研修の内製化」を進めていく際には、研修開発担当者が、自社のニーズに基づいた研修を企画し、社内人材に講師依頼を行い、研修を実施し、評価する、という一連のプロセスを高いクオリティを担保しつつ回していく必要があり、研修開発のプロとしてより高いスキルが求められるようになってきます。
A子さんは「ただ私の経験談を話すだけでは、単なる講演会になってしまう」と考えています。もちろん「講演者が自分の経験を語ったり、知識を教えたりする」形式の講演会、一斉講義スタイルの研修も有効な人材育成施策の1つです。
しかし、誤解を恐れずに言うならば、企業の研修の目的とは「教えること」ではありません。教えることは「学習者に学んでもらうこと/変化してもらうこと」の「手段」であって「目的」ではないのです。
さらに言えば、「学ぶこと」だけにとどまらず、学んだ後で、当人が職場・現場に戻って成果につながる行動をとることができること、つまり、「仕事の現場で成果につながる行動ができること」が、最終目的となります。単に「教える」だけの研修を行っていては、そうした目的を達成することは難しく、より効果的な研修をデザインするスキルが必要となります。
今回は、研修デザインの入門編として、さまざまな学習活動を組み合わせ、より研修参加者の「行動」につながる効果の高い研修をデザインするために、研修カリキュラムをデザインする際、心に留めておきたい考え方についてご紹介したいと思います。