研修デザインで押さえるべき
「7つの原理」

1、目的の原理

 大人の学びにおいて、なによりも大切なのは、「目的の原理」です。

 大人の場合は「なぜこの研修で学ばなければならないのか(目的)」と「この研修を受けるメリットはなにか(メリット)」と「この研修はどんなふうに自分の仕事と関連するのか(業務への関連)」といった目的が十分に意識できていないと、安心して学ぶことはできません

 特に、ただでさえ多忙で、自分は一人前だ、という高いプライドを持っている大人を研修という場で学ぶ気にさせるには、その必要性を「腹の底から」納得させる必要があります。

 そのため、研修に入る前に、「これから学ぶことがどれほど自分の仕事や生活に意味があるのか」「今後の自分にどれほどのメリットをもたらすのか」といったことをきちんと明示する必要があります。

 この「なぜ学ぶのか」については、研修の始めだけでなく、研修中も繰り返し述べて、思い出してもらうことが重要です。

2、学習者中心の原理

 当然のことですが、学ぶ内容は学習者(研修参加者)の既存の知識や経験に合わせたものにしなければならない、ということです。

 ともすると、教える側の人間は、参加者のレベルが自分のレベルと同じだと錯覚してしまいがちです。しかし、大切なことは参加者の立場に立って、参加者の現在の状況に合った学習内容を選択することです。

 そのためには、参加者がどのような人物であり、どんな環境でいかなる経験を積み重ねてきたのか、何を知り、何を知らないのか、何を知りたがっているのかをよく知っておく必要があります。