経営 X 人事
人が育つ研修のつくり方 中原 淳
【第4回】 2014年8月18日
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中原 淳 [東京大学大学総合教育研究センター准教授]

誰もが参加したくなる研修にするには?
研修のPR戦略

2、組織的な位置づけ、意味づけ

 どれほど面白そうな魅力的な研修であっても、企業内研修である以上、組織内でその研修を受ける意味づけがしっかりとされていないと、参加者は研修を受講するメリットを感じません。できれば、研修PRコンテンツには、社長や幹部役員がその研修についてどう考えているのか、一言メッセージを載せるなど、組織がその研修をどう位置付けているか、ということをきちんと打ち出していくことが必要です。

3、ビジュアル

 旅行パンフレットのような写真やロゴを多様した、デザイン的に完成度の高い配布物、PRコンテンツをつくる必要はありませんが、やはりビジュアルは重要です。講師や研修場所の写真、研修により能力が高まった後の受講者のイメージ写真、魅力的なロゴ、あるいは、学習内容に関連する図や雰囲気を伝えるイラストなど、ビジュアルを用いることで、研修の魅力をより効果的に伝えることができます。

 いかがでしょうか。冒頭に出てきたA子さんの先輩も、「研修PR」という観点で、再度「営業職向けマーケティング研修」の案内を作り直してみると良さそうですね。研修開発は手間のかかる仕事です。研修開発担当者が、どれほど思いをこめて素晴らしい研修企画を練り上げても、参加者が集まらず、実施されなければなんの意味もありません。研修企画段階と研修実施段階の間にあって、忘れられがちな「研修PR」について、ぜひ今一度、見直してみていただきたいと思います。願わくは、ワクワク面白そうな企業内研修、思わず受けてみたくなる企業内研修、申込みが殺到する企業内研修、を目指したいものです。

◆新刊のお知らせ◆

『研修開発入門 会社で「教える」、競争優位を「つくる」』

 人事・人材開発・研修開発担当者必携!企業内で研修を企画・立案し、自社に最もフィットした 研修を実施・評価していく全プロセスを詳細に解説した企業内研修開発のバイブル的入門書。研修開発に関する理論、原則などアカデミックな知見も豊富に盛り 込まれつつ、実務担当者への取材から得られた実務に生かせるノウハウも多数紹介。研修講師として登壇する社内講師の方にも役立つ内容です。

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「研修開発入門」をテキストにした、“研修を作るための研修”『研修開発ラボ』が開講されます。

第1期 (終了):2014年7月17日(木)~18日(金) 各9:30~17:00
第2期 :2014年10月16日(木)~17日(金) 各9:30~17:00
第3期 :2015年2月19日(木)~20日(金) 各9:30~17:00

 

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中原 淳[東京大学大学総合教育研究センター准教授]

東京大学 大学総合教育研究センター准教授。著書に『職場学習論』『経営学習論』『活躍する組織人の探究』『研修開発入門』『駆け出しマネジャーの成長論』など多数。企業における人材開発の実証的研究をすすめるかたわら、さまざまな研修・ワークショップなどを開発・評価。近年では、新任マネジャー向けワークショップ「マネジメントディスカバリー」、人材開発担当者向けワークショップ「研修開発ラボ」などを開発。Blog: http://www.nakahara-lab.net/blog/、Twitter ID: nakaharajun

 

 


人が育つ研修のつくり方 中原 淳

新人研修を始め、階層別研修、マネジャー研修など、企業内でさまざまな研修が企画、実施されていますが、意外にも企業内での研修開発について企画から評価まで網羅した入門書はありませんでした。『研修開発入門 会社で「教える」、競争優位を「つくる」』は、企業内研修の企画立案・実施・評価まで、研修開発の全プロセスを350ページにわたって解説した研修開発のバイブル的入門書です。本連載では、「研修開発入門」から、研修開発担当者が知っておきたい研修開発の基本的な考え方を抜粋してお伝えします。

「人が育つ研修のつくり方 中原 淳」

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