「日本で最も愛されるインキュベーター」として80社以上に投資、起業家を輩出するサムライインキュベートの代表取締役・榊原健太郎氏。ベンチャー大国・イスラエルとの連携を著書『20代の起業論』でも訴えていたが、今年5月、自ら支援する起業家たちとともにイスラエルに渡り、7月末に拠点を立ち上げた。その活動と、8月に一時帰国しての報告会、さらに今年上半期のイスラエルスタートアップ事情を述べる。

サムライハウス in イスラエル 1ヵ月遅れで無事ローンチ

 2014年7月31日、日本のインキュベーター、サムライインキュベートが、イスラエル現地で立ち上げた「Samurai House in Israel」(通称SHI)のオープニングパーティが、総勢80名以上集まり開催された。SHI入居予定の3人の起業家、Aniwo、LIFE、zerobillbank各社の代表らがピッチを行った。

 SHIのロケーションは、イスラエルのスタートアップ6000社のうち1000社以上が集まるイスラエルハイテクの一丁目一番地、テルアビブのロスチャイルドストリート沿いの2階。1階がYakimonoという日本料理屋で、分かりやすいロケーションである。

7月31日「Samurai House in Israel(SHI)」オープニングパーティ終了後の参加者の記念写真

 5月にイスラエル移住後、同社代表取締役社長 榊原氏は、このSHIのローンチと併せ、現地ネットワークづくりを精力的に行ってきた。エンジェルだと大御所のシモン・エクハウス(Shimon Eckhouse)氏、テイマー(Tamar)ベンチャーズのゾウハー・ジロン(Zohar Gilon)氏、ジジ・レビィ(Gigi Levy)氏。アクセラレータでは、マイクロソフト・ベンチャーズアワクラウドアップウエストラブジビィグループスタータウなど多数と関係を構築している。SHIのサイトの訪問記で活動の一部は紹介されている(イスラエル経由世界行き Samurai House in Israel)。

 日本では、こうしたエンジェル、アクセラレータは、ほとんど聞いたことも、見たこともない方がほとんどであろう。現地ローカルの人脈であり、短期間で現地ネットワークに確実に食い込んでいる。