「素直な子に育ってほしい」。子どもに対して、多くの親がこのような思いを持っていると思います。しかし、親のちょっとしたひと言で、素直どころか、子どもはひねくれて育ってしまうのです。その原因と対策をお伝えします。

「ちゃかす子」と「素直な子」。
あなたの子どもはどちらですか?

 毎年たくさんの子どもと接していると、何か言うとすぐに「ちゃかす子」と、いろいろなことに興味を示す「素直な子」という2種類に分かれることに気づきます。

 言うまでもなく、勉強ができ、そして人間としてぐんぐん成長していくのは「素直な子」のほうです。

 ところが、子ども社会の中で人気者になるのは、みんなを笑わせる「ちゃかす子」のほうです。とても悩ましい問題だと思います。

 例えば算数の授業の中で、私が「中学へ行くと、整数でも小数でも分数でもない、まったく新しい『ルート』っていうのを使うんだよ」と言うと、何にでも興味を示す子は「それってどんな数字?」「どうやって使うの?」などの反応を示します。

 一方、何でもちゃかしたいタイプの子は「それって入試に出るんですか?」「今、教わらなくてもいいんじゃないですか?」と少しふざけて言うことで、先生の揚げ足を取ろうとします。そして、そんなツッコミに周囲が笑う、という展開です。