優良企業にはカリスマ指導者もいらず、優れたアイデアも必要ない!
アンケートなどの調査では、事前予想をくつがえしたり、思いもかけない真実の姿の出現こそが醍醐味ですが、「ビジョナリー・カンパニー」の分析結果から、一般的な優良企業のイメージ(神話)をくつがえす、いろいろな発見がなされました。
【優良企業に対する神話と現実の違い(同書より12のうち3つを著者が要約)】
「神話」 素晴らしい会社には、素晴らしいアイデアが必要である。
「現実」 アイデアは関係ない。まず会社を設立しビジネスを探した事例まであり、スタートで完全につまずいた企業も少なくない。彼らはウサギとカメの寓話のように、スタートでは後れを取るが、長距離レースでは勝っている。
「神話」 ビジョンを持った偉大なカリスマ的指導者が必要である。
「現実」 カリスマ的指導者はまったく必要なく、会社の長期展望にはむしろマイナスになることさえある。ビジョナリー・カンパニーのCEOは偉大な指導者になることよりも、長く続く組織をつくり出すことに力を注いでいる。
「神話」 優良企業は、危険を冒さない。
「現実」 ビジョナリー・カンパニーは外部から見れば保守的だと思えるかもしれないが、「社運を賭けた大胆な目標」に挑むことを恐れない。胸躍る大冒険だからこそ、人は引き付けられ、やる気になり、前進への勢いが生まれる。目標をうまく使って進歩を促し、過去の重要な局面で、競合企業を打ち破ってきた。
「永続する」ビジョナリー・カンパニーは、一人のカリスマよりは、むしろ組織文化の醸成を重視するCEOから生まれます。独自の「基本的理念」を維持し、組織全体で理念の進化を促すことで、時代の変化や製品サイクルを乗り越えていたのです。