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自社サイト以外の行動履歴を追いかけて
見込み客を呼び戻す
――大手IT企業もデジタルマーケティングに本腰

ダイヤモンド・オンライン編集部
【第59回】 2014年9月4日
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世界規模の顧客行動データを
日本企業にも提供

 オラクルは、クラウド環境で提供する既存のマーケティングツール群に、買収したOracle BlueKaiを統合し、「Oracle Marketing Cloud」という製品名で販売を開始する。

米オラクルでマーケティング事業を統括するケビン・エイクロド シニアバイスプレジデントが来日し、日本市場へのマーケティング製品の本格導入を宣言した Photo:DOL

 Oracle BlueKaiの統合によって「デジタルマーケティングに必要なピースは揃った」(オラクル関係者)ということで、これから本格的に企業への売り込みを開始することになる。8月19日には、都内で日本のマーケティング事業本格開始を宣言する記者会見を行った。

 会見にあわせて来日した、米国オラクルでマーケティング製品事業を統括するケビン・エイクロドシニアバイスプレジデントは、統合マーケティング製品の競合として、アドビ、セールスフォース・ドットコム、IBMの3社の名を挙げた。

 これらの企業に対して、マーケティング分野におけるオラクルの強みは、すでに多くの企業に導入されているオラクル製の業務アプリケーションとマーケティング機能がスムーズに連携できる点だと、エイクロイド氏は強調した。オラクルのマーケティング製品は、ベライゾン(通信)、ターゲット(小売り)、複数の航空会社など、すでに多くのグローバル企業が導入しているという。

 また、企業が海外へ進出する際も、Webマーケティングが欠かせないものとなっているが、「とくに中堅企業の海外進出の場合は、事前に十分な調査費用が取れないこともある。Oracle BlueKaiの データベースを利用すれば、あらかじめ現地の顧客の行動パターンがざっくり理解できるので、はじめからコミュニケーションをとりやすい」(日本のデジタル マーケティング製品事業を統括する多田直哉執行役員)という。オラクルでは、海外で蓄積されたノウハウを生かし、日本の顧客企業のマーケティング課題を解決するための営業チームも組織するという。

 一方、世界規模でWebユーザーの行動を格納する基盤として実績を積んだOracle BlueKaiは、1ページ目で説明した「プライベートDMP」として使用する場合にも優れたツールだと、オラクルでは説明する。

 「自社開発のDMPでは、データの格納はできても出す方は開発が面倒な場合が多い。Oracle BlueKaiは必要なメール配信や広告配信など、さまざまな既存のマーケティングツールと接続が可能で、分析の結果次の施策が決まった時に、開発が不要ですぐにつながる点が大きなメリット」(日本オラクル担当者)。業種・業界別に異なるデータの分析法や配信先をテンプレート化したメニューも、すでに数百種類揃っているという。

 たしかに企業にとっては、自社内の各部署に散在している顧客データを自社Webサイトの行動と結び付けるプライベートDMPの構築が、先に取り組むべき課題かもしれない。マーケティングの“宝”は、身近なところに眠っている可能性もあるのだ。

 デジタルマーケティングの分野では、新しい技術が次々と登場している。大事な点は、技術を駆使してマーケティングを自動化しつつも、ユーザーに不信感、違和感を抱かせることなく、気持ちよい体験を与えることができるかどうかだ。

(取材・文/ダイヤモンド・オンライン編集部 指田昌夫)

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