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20代半ばで翻訳家デビューを果たした人も!
「出版翻訳オーディション」の可能性

待兼 音二郎
2014年9月10日
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 新人の登竜門としては、小説や漫画の世界にも新人賞があるが、各賞とも開催は年1回程度で、一発勝負の色合いが濃すぎるうえ、応募側にも選考側にも負担が大きすぎる。それだけに、「出版翻訳オーディション」のコンパクトさがきらりと光る。

 ところで、漫画家にはアシスタントを経てデビューした人が多い。そして出版翻訳にも、「下訳者」という同じような下積みシステムが存在する。

 「それまでは、出版翻訳者になるには著名な翻訳家に弟子入りし、下訳者としての経験を経て一人前になる、いわゆる“徒弟制度”が主流でした。しかし、インターネットの時代になり、世界のどこからでも参加できるオーディションが可能になりました。オープンなシステムで翻訳者の評価をガラス張りにし、世界のどこにいても翻訳出版の仕事を得られる仕組みを作ることは、古い体制にある出版翻訳業界に風穴を開けることになり、出版社からの受注の急増も見込めると考えました」(トランネットの中原絵美氏)

トランネットのオーディションを経て翻訳出版された書籍の例

 「出版翻訳オーディション」なら、課題書の翻訳は通過者に直接委ねられるため、大学卒業後ほどなくして20代半ばで訳書を自分の名前で出した人もいるという。従来の徒弟制度なら考えられない若さである。また、オーディション経由でデビューし、その後出版社から指名で仕事が入るようになって、20冊以上訳書を出した人もいるのだという。

 有名翻訳家の下訳者として修業することは、若者が熟練工から仕事を習い覚えることにも通じ、一概に時代遅れと否定するのは愚かなことだ。ただ、新たな選択肢が出てきたことの意義は大きい。

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