4~6月のGDPは7.1%減!
7~9月も予想以上に悪化か
政府は9月8日、本年4~6月のGDP(国内総生産)の改定値を発表した。
それによると、8月発表の年率換算前期比6.8%減の速報値をさらに下回り、7.1%減となった。
消費税率を8%から10%に上げる最終決定は年末12月初旬に予定されている。来年10月に10%に上げるなら、来年度予算編成前に決めなければ歳入の見積もりなどに支障が出るからだ。
だが、ここに来て示されるさまざまな経済指標は、実体経済が想像以上に弱含みであることを示し、年末の増税決定に不安感を増幅させている。
本年の1~3月期の駆け込み需要や、4~6月期の反動減は想定内のこと。ただ、4~6月期の落ち込みは大きく、当初の予想を越えるものであった。
問題は、年末の最終決定に際して最重要の判断材料となる7~9月期の経済の実績が、官民の予想よりかなり悪くなりそうなことだ。
政府は「4~6月が悪くても7~9月は良くなる」と楽観していたようだが、7月、8月の景況を示す個別の経済指標が示され始めると、とても楽観できるようなものではない。
8月末に発表された7月の家計調査では、前年同月と比べて実質で5.9%も減少し、何とその下げ幅は6月の3.0%減の倍の大きさとなった。それに7月の完全失業率は6月より0.1ポイント上昇し、好調だった雇用状態にも陰りが生じている。
さらに、消費者物価指数は昨年7月比で3.3%も上昇、賃金の伸びがそれに追いつかないため実質賃金が低下し続けている。
4~6月のGDPが下方修正された要因は個人消費の伸び悩みとともに設備投資の不振も大きな原因だ。設備投資は、速報値の2.5%減から5.1%減にまで下方修正されたのである。
GDPは、民需の柱である個人消費と民間設備投資でその7、8割を占められる。この2つの柱が不調であれば、GDPの数字が持ち直さないのは当然だ。