実用ライフスタイル誌「ダイヤモンドQ創刊準備1号」(10月2日発売)で作成した有料老人ホームランキング。各地域を取材したレポートの第8回目は千葉県。

 千葉県の介護型で1位は、ベイエリアにある「新浦安フォーラム」。グスタフ・ストランデル社長は、日本スウェーデン福祉研究所を立ち上げ、スウェーデン発祥の緩和ケア「タクティールケア」など北欧の進んだ福祉技術や理論を日本に紹介してきた人物。ここは彼のこだわりを実践するホームだ。

相手の背中や手足を柔らかく手で包み込むように触れるタクティールケア。「新浦安フォーラム」では職員が研修を受けて日常的に施す

 訪問介護サービスをはじめ、デイサービスやショートステイ、介護相談や研修センターとあらゆる機能がそろう。看護師は24時間常駐し、提携医院も同じ建物内に整備。利用者の介護度に合わせてサービスを提供し、最終的に看とりまで対応する。

「認知症になっても安心して暮らせ、安心して亡くなる場所をつくりたい」とストランデル社長は話す。

 日々のケアやアクティビティでは、認知症の人でも簡単に扱えるスウィングバーギターを使った音楽療法「ブンネ・メソッド」などスウェーデン式を積極的に取り入れる。

 設備面でも、認知症の人に脅威となる長い廊下には必ず休憩所を設置するなどの配慮が行き届く。広いリビングとひのき風呂が備え付けられているほか、約24平方㍍の広い個室にもシャワーが付いて個別の排せつケアに対応。個別ケアを実現するため、入居者2人に対し職員1人以上の人員配置を確保している。

 ストランデル社長は「徹底した個別ケアで生活の質を守るのがここの理念。そのための手法や資源の確保、人材育成を十分に行ってきた」と胸を張る。入居率はほぼ100%で、待機者も居るという。