日本政府が資金を出すODA(政府開発援助)であれば工事費回収のめどが立つが、アルジェリアの工事は、日本政府を通さず国内ゼネコンなどが契約した。そのため国土交通省関係者は「われわれも事情がよく分からず、口出ししにくい」とこぼす。

鹿島に追加損失の懸念も

 さらにJV各社にとって頭が痛いのは、今後どれだけの金銭的な負担が生じるかだ。国際仲裁裁判所がJV側の言い分を認めても、強制力はない。

 今年6月末時点の工事損失引当金は、鹿島が311億円に対し、大成は466億円と差がある。これには国内工事への引当金も含まれるが、大成はここ数年、利益率を重視して不採算受注を避けているのに対し、鹿島は今も都心で不採算の工事を多数抱えている。そのためアルジェリアについては「大成は引き当てがかなり済んでいるが、鹿島は追加損失が発生する恐れがある」とある市場関係者はみている。

 もっとも大成も「難工事で赤字は必至」(業界関係者)といわれる新国立競技場の受注に意欲を示しており、アルジェリアの工事費回収が難しいとなれば、株主の理解が得られるかは不透明だ。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 岡田 悟)