再増税反対で野党結集の方向へ?
安倍首相は先手を打って「見送り」決断を

 さて、再増税反対はこれから野党結集の太い軸になる可能性がある。実体経済の失速、アベノミクスの失敗が明らかになれば国民世論の反発は強まり、野党結集の動きを強力に援護することになる。

 首相にとって最悪なのは、野党によって再増税見送りに追い込まれたという形であろう。そうなれば再増税ができないばかりか、それをやめさせた野党の支持率を上げることになる。

 そんなことは百も承知の首相は、11月17日とされる7~9月のGDPの速報値を待たずに、実質的に決断の方向を明らかにすることになるかもしれない。

 野党の動きに関係なく、首相主導で見送りを決断しなければ首相の求心力は強まらないからだ。

 野党、特に民主党は、消費税増税の三党合意の背景にある「国会議員定数の削減」の約束履行を厳しく迫る戦略のようだ。

 もちろん、それは結構なことだが、それほどの説得力はない。

 なぜなら「何のための定数削減なのか」その目的がもう1つ明確ではないからだ。

 財政再建のために、「率先垂範する」「まず自ら身を切る」と言うが、それは国会関連経費を削減することが主目的になる。

 それなら、政党交付金を半分にするだけで、100~150人の議員定数の削減と同じ節約効果ではないか。その方がよほど簡単にできるはずだし、世論も大いに賛成する。

 もう1つ考えられる目的は、望ましい選挙制度、政治制度への改革だ。しかし、これは○増○減というような小手先の是正では間に合わないところに来ている。単に違憲状態を脱するための限定的な改革では現行制度を一層いびつなものにするだけだ。

「定数削減を含む抜本改革」こそ、野党の主張であるべきだろう。

 安倍首相は、再増税を見送るか、というより、いつ見送りの決断をするかの段階に入ってきたと思われる。