本年7月のコラムでは、このような日韓関係の悪化の現状に対し、未来に向けての協力のビジョンを打ち出す必要性について言及しているが、その前に日韓関係の重要性、とりわけこの地域の将来にとっての重要性について、両国が国内的にきちんとした説明を行うことが極めて重要になっていると思う。「安全保障は米国、経済は中国との関係が重要であり、日本はさほど必要でない」といった韓国国内の感覚的議論は、正しいとは思えない。

「韓国の甘えはもう沢山であり、放っておけば良い」「中国との関係が改善されれば、韓国との関係改善はついてくる」といった日本国内の考え方も、正しいとは思えない。韓国はすでに世界で14番目の規模を持つ経済大国となっており、OECD開発援助委員会のメンバーでもある先進民主主義国の一員である。

 東アジア地域の今後の最大の課題は、共産主義国家であり確実に国力を増している中国とどう向き合うかということである。米国の同盟国である日本と韓国が健全な東アジア地域づくりに協力していくことがなければ、この地域の将来は暗い。

中国・北朝鮮問題での協力は必須
首脳間の信頼関係構築は急務

 さらに、北朝鮮との関係においては日米韓の連携が必須であることは、論を俟たない。日本の集団的自衛権の一部行使容認の問題でも、その最重要な要素は、北朝鮮有事に対する日本の役割を確立して三国の計画づくりに資するということである。これに韓国が批判的であると伝えられるのは、世論を意識してのことなのだろうか。 

 安倍首相は今国会の所信表明演説で、韓国は日本にとって重要な隣国である旨を明確にしたが、両国の首脳が相手国に対する配慮をしつつ両国関係の重要性を語り続け、早急に首脳間の信頼関係を構築することが、まず必要なのだろう。