そもそも住宅扶助の何が
論点になっていたのか

 今回の第19回基準部会において、厚労省の事務局が作成した資料によれば、論点は下記の4点である(番号は筆者による)。

1.住宅扶助特別基準(上限額)は、健康で文化的な最低限度の住生活の確保の観点及び低所得層の世帯における住宅水準との均衡の観点から、どの程度を妥当なものとするべきか。

2.住宅扶助基準特別基準(上限額)の範囲内で床面積や築年数など住宅の質に応じた基準額を設定することについてどう考えるか。

3.生活保護受給世帯において、最低居住面積水準を満たしている世帯の割合はどの程度か。

4. 生活保護受給世帯の家賃額は、一般世帯における近隣同種の住宅の家賃と比較して、高く設定されている場合があるのではないか。

 これらの論点について作業班が行った作業は、

1.および2.に対して

・平成20年住宅・土地統計調査の特別集計を実施し、最低居住面積水準を満たす住宅の家賃水準と住宅扶助特別基準(上限額)の比較を行う

・平成20年住宅・土地統計調査の個票データを用いて、家賃月額を物件属性の関数として推定する

3.および4.に対して

・生活保護受給世帯の居住実態調査について、生活保護基準部会における議論に資するデータの整理、集計を行う

 であった。

 過去の部会での議論においては、部会委員の一部から

「一般低所得層との均衡という視点から、国交省の最低居住面積水準以下の『生活保護の住の水準』を設けるべきでは」

 という意見もあった。また事務局も再三、事務局作成資料で「国交省の最低居住面積でいいのか?」という内容の問いかけを行っていた。しかし作業班においては、

「国交省の最低居住面積水準以下に『生活保護の住の水準』を設ける」

 という方向に明確に向かう作業は、一応は行われていないと考えてよいようだ。

 では以下、作業班の集計結果から、報道されていないが重要だと筆者が考えるポイントを紹介したい。