状況3
OJT指導をしても、トレーニーの気付きが少ない気がする
対処法3
「考える余地」を与える「ガードレール」型の指導をおこなう
人の教育方法には、「線路型」「放牧型」「ガードレール型」の3つがあります。OJTにおいては、気づき・学びを誘発しやすくするという意味で、目標に向かって「考える余地(Space To Think)」を与える「ガードレール型」の指導が望まれます。
線路型の指導とは、トレーナーが目標を明示し、同時にそこに至るレール(線路)を敷き、レールからはみ出ることや、遅れることは許されない指導方法です。目標を達成しやすいですが、トレーニーが考える余地がなく、気づきは生まれにくいといえます。
放牧型の指導は、トレーナーは明確な目標は示さず、すべてトレーニーの自主性に任せるスタイルです。トレーニーが考える余地はありますが、目標が不明瞭なため、方向性(目標)を見失うおそれがあります。
理想的なのは、ガードレール型の指導です。つまり、トレーナーが目標を明示しますが、そこに至る道筋は一定の範囲内でトレーニーの裁量に任せるというやり方です。目標を見失うことなく、トレーニーに「考える余地(Space To Think)」を与えることが可能となります。トレーニーが許容範囲から逸脱しそうなったら、トレーナーがアドバイス等を行い、逸脱を防止します。つまり、トレーナーがガードレールの役割を果たすわけです。