本サイトで「新しい《採用》の科学」を連載されている横浜国立大学大学院の服部泰宏准教授の指摘によれば、
「多くの採用担当者が“大きな母集団を形成することこそが、優秀な人材を採用するための第一歩だ”という仮説を持っている」ため、「求職者に対して、自社に関するネガティブな情報を提示することをできる限り控える」ことになる。そのため、「募集情報はどうしても、曖昧でポジティブな情報に彩られたものに」なり、「求職者は、採用後にその現実を知り、落胆することになる」
それが巷間で言われる「ミスマッチ」の背景で、企業規模や知名度などに関わらず、一般的な採用システムを採る限り、その弊害を免れる企業は少ないと言えます。
そのようなミスマッチがなかなか解消されず、若手の側からすれば「こんな会社(職場、仕事)だとは思わなかった」という落胆が埋められないと早期離職にもつながりかねない。
そこで、内定段階で先輩社員が社風を伝え、「働くことのリアル」を伝えることに意義がある、ということになります。
“発射台”が高ければ
遠くまで飛べる
先週、神奈川県のある大学に招かれ、4年生を対象にした「入社前ガイダンス」で講師を務めました。全員が企業に内定している学生です。
自作のテキストを元に私が話をしたのは、「会社へのなじみ方」とか「社会常識」「コンプライアンス」などの内容で、一方的に話をするだけではなく、「給料はなぜもらえるのか」というようなテーマで隣同士で対話をしてもらいました。