先週の総括

 先週の日経平均株価は、週央に下落したものの、週末にかけて戻す展開となった。週初は1万4000円台でもみ合ったが、米国原油相場が連日最高値を更新して1バレル130ドル台に乗せたことを嫌気し、米国株式が調整、日本株もその余波を受けた。

 その後は先物の買戻しも断続的に入り、1万4000円を挟んだ値動きとなった。外国人投資家の買い越しが4月第1週から7週間連続していることも買い安心感を誘った。結局週末は前週末比1.5%安い1万4012円で引けた。

 規模別には大型株の調整幅が大きかった。マザーズ指数は前週末比1.9%のプラス、東証2部指数も同1.3%のプラスだった。業種別には石油石炭・鉱業・鉄鋼などが上昇、一方で海運・銀行・小売が下落した。

今週の予報

 今週の日経平均株価は、弱含みの展開を予想する。決算発表は峠を越えた。全体で10%程度の減益に収まりそうで、もっと悲観的な業績を予想していた株式市場はこれを好感して上昇した。しかし、市場心理の好転のみでは上値追いには力不足だ。25日間の騰落レシオが過熱感を示す120%を越えており、当面は調整局面になるだろう。意外な好決算を発表した銘柄が個別に物色される展開を予想する。

 紙パルプ業界は輸出比率が低く、典型的な内需依存型業界だ。また原材料・燃料の大部分を輸入に頼るため、円高メリットを受けやすい構造だが、現状はこれらの高騰が円高メリットを相殺している。

 王子製紙はドバイ原油価格想定を2008年度は100ドル、2009年度以降を110ドルとしているが、足元の価格は120ドルを越えている。年央以降の製品値上げが浸透しなければ、業績はジリ貧となりそうだ。

  紙パ業界の株価は悲惨の一言に尽きる。古紙配合比率偽装事件の影響を薄めた2002年12月からの長期株価推移を日経平均と比較しても、代表銘柄である王子製紙の騰落率がマイナス8.6%、日経平均がプラス60.2%。現在の株価が2002年末を下回る業種は極めて珍しい。