最初から本気になれる人はなかなかいない

 みなさんは、毎日の仕事を本気でやっていますか。

 20代の人であれば、ちょうど新卒で就職した最初の会社で働いているところでしょうか。30代の人であれば、2社目、3社目という人もいるでしょう。なかには、美容師やデザイナーといった専門職に就いている人も、就職はせずに家業を継いだり、会社員を辞めて自営業をしている人もいるかもしれません。

 立場はさまざまでしょうが、今のみなさんは「本気」ですか。

 怒られそうなので、あまり大きな声ではいえませんが、最初から本気になれる人はなかなかいません。みなさんのまわりを見まわしてみても、何となくつまらなさそうに仕事をしている人、どこか上の空という顔をしている人が結構いるはずです。要するに、まだ本気を出していない人です。

 ですが、誰にでも本気になる瞬間は訪れます。

 何が人を本気にさせるのだと思いますか。

 それは、「オーナーシップ」です。

 英語の「ownership」を日本語にすれば、「自分事」となるでしょうか。今、自分がやっていることを「他人事」だと感じていると、人は本気になりません。仕事であれば、どうすればサボれるか、どうすれば会社の備品やおカネを盗めるかということしか考えなくなります。当然、必要なスキルも身につかない。自分の意識のなかに「オーナーシップ」のないまま仕事をしている限り、どんなに苦労しても、努力しても、何も蓄積されていかないのです。