ウェブにおける経済データの提供方式が最近変わってきた。

 ウェブでの経済データの提供は、当初は、それまでの印刷物の「統計月報」などと同じものをPDFで掲載することによってなされる場合が多かった。いまでも、日銀「金融経済統計月報」などはこの方式だ。

 その後、エクセルやCSV形式で提供される場合が多くなった。エクセル方式だと、扱いが便利である。たとえば、必要な系列だけ残して表示させることができるし、伸び率や構成比の計算もすぐにできる。また、グラフに表示することも容易だ。現在では、この方式で提供されているデータが多い。

 しかし、この方式だと、必ずしも利用者の目的に添ったデータは得られない。なぜなら、表の形式が決まっているからである。たとえば、総務庁のサイトにある「日本統計年鑑」(総務省統計局が編纂した国土、人口、経済、社会、文化などの広範な分野にわたる基本的な統計データ)は、専門的な分析をするのでなければ便利なのだが、時系列データであっても比較的最近の期間しか表示されておらず、長期にわたるトレンドを見ることができない。

 こうした問題に対応するため、データ系列、期間、フリークエンシー(年次、月次などの区別)などが選択できる形式でデータが提供されるようになってきた。つまり、固定的な表ではなく、自分用にカスタマイズした統計表を作ることができるわけだ。

 最初は戸惑うが、使い慣れると非常に便利であることがわかる。ただし、利用方法に慣れることが必要だ。今後、ウェブを通じる経済データは、この方式で提供されることが多くなってゆくのではないかと思われる。

 そこで以下では、いくつかの具体的なサイトについて例を示して、使い方を解説することにしよう。