セロリ うむ。表面がブツブツしていようがツルツルしていようが、笑うヤツは笑うし、バカにするヤツはバカにする。だったらいちいち、そんな相手のことで悩む必要はねえ。気にせず放っておけばいい。これがいわゆるアドラーの教えにおける『課題の分離』だな。

ゴーヤ 『これは誰の課題なのか?』という視点で考えることっすよね。他人のことなんて自分じゃどうにもできない。だから『自分の課題』と『他人の課題』を切り離して考える……。

セロリ そうして『自分の課題』――つまり、自分が信じる最善の道を選ぶことだけに努力を傾ければいいんだよ。他人の評価を気にして生きたところで、幸せにはなれねえんだし。

ゴーヤ かもしれないっすね。そんな生き方、想像しただけでしんどそうっすから。誰からも嫌われないために自分が不幸になるなんて、本末転倒もいいところっすよ……。

セロリ 俺たちは結局、幸せになるために生きてるんだからな。ところが中途半端に頭が働くと、シンプルなことまで複雑に考えちまって、思い悩んだあげく不幸になっちまう。

ゴーヤ なるほど。だからこの本の最初にこう書いてあるんすね。――人は変われる、世界はシンプルである、誰もが幸せになれる。

セロリ わかってきたじゃねえか。要するにそういうことさ。難しく考えんな。自分にやれることだけやれ。そしたらこの世界だってきっと、ハッピーになるんだってな。

ゴーヤ よおし、オレは悩むのをやめたっすよ! 表面のブツブツなんてもう気にしないっす!

セロリ お、ゴーヤも調子出てきたみたいだな。せっかくだし、このまま町に出かけてハッピーに騒ぐとするか!

ゴーヤ それで「新手のゆ○キャラか」「あいつらマジきめえ」みたいに思われるんすよね!? 

セロリ お、おう……。改めてそう言われると心にグサッとくるな……。

(続く)