【第2話】
ゴーヤのブツブツなど誰も気にしていない

ゴーヤ うう……。みんながオレを見て笑ってるっす……。やっぱりゴーヤは表面のブツブツがダメなんすかね……。この世界の全てが敵に見えるっすよ……。

セロリ ようゴーヤ。今日はやけにダウナーだな。そんなふうに暗い顔してると、ただでさえ濃ゆい顔がさらにアレな感じに見えるぜ?

ゴーヤ ウワアアッ! セロリのアニキまでオレをバカにしてっ! もう我慢の限界っす! いっそチョコレートで表面をコーティングして、ツルツルの身体になってやるっすよ!

セロリ お、おい! 早まるな! チョコゴーヤなんて需要ねえぞ! ……つーか、今日はほんとにどうしたんだよ。普段のお前ならこんな軽いジョーク、笑って流せてたじゃないか。

ゴーヤ いやあ……実は最近、みんながオレを見て笑ってる気がするんすよ。見てのとおり、オレはゴーヤ。表面はブツブツで、顔だってイケメンにはほど遠いっすから……。

セロリ ふむふむ。要するにお前は自分の容姿が嫌いなんだな。そんで世界中がゴーヤのブツブツをバカにしてると思ってるわけだ。イケメンの俺には到底、理解できない悩みだぜ。

ゴーヤ 何言ってるんすか……。こう言ったらなんすけど、アニキの容姿だって相当なもんすよ? 身体はひょろ長くて先端はとがってるし、死んだ魚みたいな目が不気味だし。

セロリ ふっ。言ってくれるじゃねえか。だったらさ、よーく考えてみろ。そんな俺の容姿をお前はバカにするか? 「なんだあいつ、マジきめえよプゲラ」って笑うか?

ゴーヤ まさか。アニキをそんなふうに思ったことは一度もないっすよ。