高浜原発再稼働観測で
株式市場も好感

 冒頭の日経新聞報道にあるように、原子力規制委員会の安全審査について年内に合格が内定したとしても、実際に高浜原発が再稼働するのは、諸手続などの期間を勘案すると、もっとも早くて年度明けの4月になるであろう。

 関電の現在の料金水準は、高浜原発3・4号機の再稼働と大飯原発3・4号機を前提としている(資料2)。高浜再稼働だけでは黒字転換は望めないし、大飯原発の再稼働は未だ見通し立たずのままだ。料金再値上げが完全に回避できるかどうかはまだわからない。

 とは言え、今月12日の日経報道の旨は、関電の需要家や関係者にとって、ひいては関西の経済・社会にとっても、本当に久々の朗報ではないだろうか。株式市場も好感した。関電の株価は2013年10月以来、約1年2ヵ月ぶりの高値を付けた。株価が高値を付けるということは、株主が利益を得ることはもちろん、投資対象である事業者の経営状況が良好であること、あるいは好転することへの投資家の好感を示す。

 おカネを出そうという人に好感を持たれることは大事なことだ。それによって経済が回ることに繋がる。経済が回れば社会も潤う。こんな当たり前のことが、原発問題の前では忘れ去られてしまいがちだ。“原発稼働=危険、原発停止=安全”という奇妙な風説が蔓延しているからであろう。

 しかし、実際はそうではない。福島第一原発事故は、原子炉が停止している時に大津波に襲われたことで起こった事故であり、稼働中の事故ではない。重要なことは、稼働(発電)しているか停止しているかではない。核燃料の管理なのだ。この辺りのことは、今後とも経済産業省や原子力規制員会など政府関係機関は、これまで以上に丁寧に説明していく必要がある。

再稼働効果は
最大で2250億円

 ではここで、高浜原発3・4号機が2015年4月に再稼働すると仮定した場合に、関西経済社会にとってどのような効果があるのか、一つの試算をしておきたい。要するに、高浜原発3・4号機が稼働することによって、原発停止の代替として稼働している火力発電所が停止することになるが、それによって火力燃料費・購入電力料の負担をどのくらい削減できるか、ということだ。

 これは、高浜原発3・4号機の再稼働による追加燃料費の削減そのものだ。いわば、『再稼働効果』であり、海外資源国への流出を止めて国内で循環させることのできる国富の規模である。

 現行では、原発稼働期間は最長13ヵ月となっている。そこで、再稼働開始の初年度2015年度と、次年度2016年度以降に分けて考えてみた。結論から言うと、次の通りとなる。

◎2015年度……再稼働効果は、年間2250億円
◎2016年度以降……再稼働効果は、年間平均1800億円~2000億円

 試算の根拠については、以下の通りである。各データの出所は、先の料金値上げ時の関係資料(資料3)などを参照されたい。以上は取り急ぎの私の試算であるので、関電や経産省におかれては、より精度の高い試算を早急に示されたい。