世界最大の半導体企業インテルが、パソコン(PC)以外の市場拡大に注力している。2013年に女性初の日本法人トップに就任した江田麻季子社長に今後の展開を聞いた。
──PC市場が停滞する中、出荷数は依然として増え続けています。
PC事業部門の売り上げは爆発的に伸びることはないものの、今後も堅調を維持できると見ています。かつて先進国にしかなかった市場は全世界に広がり、さらにタブレットや2イン1(タブレットとPCの一体型デバイス)など、コンピューティング機能を持つデバイスも急増しているからです。
──PC以外のデバイスで、いかに優位性を維持しますか。
5年くらい先を見通して設備投資、研究開発でそれぞれ約1兆円の投資を毎年続けています。また、そもそも半導体の性能を何のために高めるのか、という将来市場の見極めに全社で注力しています。「インテルラボ」という研究機関に、文化人類学者、工学博士、社会学者などを集め、将来、人の働き方や生活がどうなりどんなニーズが生まれるのかの予測を四半期ごとに出し、全社で共有しています。
この研究から生まれた技術のひとつが「リアルセンステクノロジー」。3Dカメラで写真を撮ると奥行きの測定ができたり、ジェスチャーや表情で入力を行うことができる技術で、すでに製品への搭載が始まっています。