一人ひとりの頑張りの大切さを
教えてくれた前回の「地上の星」

 前回は2002年に初出場し、NHK「プロジェクトX」の主題歌「地上の星」を歌った。出場歌手の中では最高の視聴率だった。紅白が終わってから、オリコンのヒットチャートに異変が起こった。「地上の星」は、2000年7月に初登場した時の15位が最高だった。その後最低で100位というのがあったが、100位以内にはずっと入っていた。それが、NHK紅白歌合戦に出場したことをきっかけにブレイクした。

 まず2003年1月13日付け(集計期間が12月23日から1月5日)、クリスマス・お正月を挟んでの2週間分というイレギュラーな集計期間だったが、ここで初めて第10位とベストテンに入った。119週目にしてのベストテン入りだった。そして1月6日から12日の1週間の売上が1月20日付けとして出たが、ここで第1位。130週という長い期間かかって第1位になった異例のケースとなった。さらに1月27日付け、2月3日付けと2位をキープし、2月2日までの1週間の数字である2月10日付けで3位となった。

 毎週、若い人気歌手の新曲が出るので、1位キープは難しいが、上位をしっかりキープし、なおかつ売上枚数が週を追うごとに増えていったことは注目していいと思う。1月5日までの累計推定売上枚数は62万5870枚だったが、2月2日までの累計で85万6259枚ということになった。約25万枚、1月6日から2月2日の4週間で売り上げているわけで、これはかなり多い売上枚数と言える。2003年3月16日までで累積推定売上枚数が100万36枚となり、ミリオンセラーになった。

 この歌は「プロジェクトX」というNHKの人気番組の主題歌で、皆がよく知っている歌のはずだ。だから、改めてCDが売れるというのは、少し不思議な感じだ。ただ、NHKの紅白歌合戦の時に中島みゆきさんは2番の歌詞を間違えテロップが消えた。そこに何が書いてあったのだろうと、気になった方が多かったのではないかと思う。歌詞を間違えたことが不幸中の幸いというか、結果として注目を集めCDを買う人が増えた、こういった面もあるのではないかと思われる。

「地上の星」の歌詞を改めて多くの人が確認したことで、やはり地道に一人ひとりが持っている技術力とか、創造力とか日本人独特のきめ細かなサービス、そういったものを活用して頑張っていくということが大事だと、消えた歌詞から感じた人が多かったのだろう。一人ひとりが「地上の星」になって頑張ることの大切さを感じ取ったことが、「いざなみ景気」の息の長さにつながった面があると思われる(表1)。