驚異的な成長の
フェイスブック流を取り込めるか

 一方で、同社が意識しているのが世界のモバイル広告の成長を取り込むSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)最大手の米フェイスブックだ。彼らは12年以降、パソコンからスマホへの軸足転換を徹底している。

 デイリーアクセスユーザー(1日に利用するユーザー数)に占めるスマホ比率は75%超。ヤフーの広告事業でいうYDNと同じく、個々のユーザーの属性情報や趣味などに合わせたターゲティング広告の売上高を、モバイル化の波に乗って成長させている。

 ユーザーの拡大も相まって、その成長率は四半期ごとに50%を超えるペースをいまだに維持。13年度の売上高は78億7200万ドル(約9446億円。1ドル=120円換算)と、過去3年間で4倍と驚異的な成長を遂げている。

 もちろん、ヤフーはこうしたモバイル広告の風をつかむためのさまざまな施策を打っている。

 その一つが、今年7月から実験を進めているスマホのアプリやポータルサイトの「タイムライン化」だ。これまでパソコンの画面に近かったユーザーインターフェースを全面的に変更し、まさにフェイスブックや米ツイッターのアプリのように、画面上を流れ続けるようなデザインに変えていく方針だ。

 人気のニュース欄なども文字情報が多かったのが特徴だったが、より写真や動画などの比率を高めて、スマホの画面に最適化した作り込みをしているという。無論、タイムライン上にはユーザーに最適化した広告も流れる。

 1996年創業のパソコン時代の申し子が、スマホ時代にどこまで変貌できるか注目だ。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 後藤直義)