エンジンと一体型の装置で、同社に対抗するのが三井造船だ。外付けタイプに比べ、スペースを取らず、ランニングコストが安い。装置を組み込んだ後も、「過半を握るエンジンのシェアを保つ」(同社)と一歩も引かない構えだ。

 エンジン一体型は、川崎重工業や三菱重工業なども造る。

技術革新も造船の雲は晴れず

 本来、こうした環境技術は日本の強みだが、こと造船業界に限れば、日本企業は風や波の抵抗を受けにくい船体の技術で勝負してきた。なぜなら、ライセンス生産のエンジンは、性能が横並びだからだ。

 そこで三菱重工は子会社を通じて独自エンジンの開発に力を入れているが、シェアは依然として小さい。三井造船も、天然ガスを燃料にする環境に優しいエンジンの受注を始めているが、それもマンとの共同開発で、輸出が制限される。その上、マンは国内外を問わず、他社に新技術を使ってライセンス生産させることもできる。

 技術開発にしのぎを削る日本のエンジンメーカーだが、その行く手の波は高そうだ。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 千本木啓文)