運営協議会では、「支援計画(案)」を作成。支援調整会議を開いて、「支援計画」に基づく困窮者へのサポートを行う。

 困難な事例に対しては、必要に応じて、司法、医療、学識関係者、NPO団体などでつくる「支援検討部会」に、円滑な支援構築のためのケースの検討、意見やアドバイスの提供も求める。

 さらに、生活困窮に付随する複合的な課題を抱える相談者に、ワンストップで迅速に対応するため、現在、無料低額診療制度の医療機関、法テラス(無料法律相談)、生活困窮者の賃貸契約の保証団体、緊急一時シェルターなどの公私13団体に、行政と社協を加えた「こうちセーフティネット連絡会」を構築。事前の連携協議や情報共有を行うため、偶数月の第3木曜日に定期開催している。

 生活支援相談センターによると、今後は、当事者団体であるNPO法人「全国引きこもりKHJ親の会」の県支部「やいろ鳥の会」(坂本勲会長)なども、同連絡会に入ってもらいたい方針だという。

 同制度では、相談事業や職業訓練などが行われ、社協や福祉事務所、民間法人などに委託される。

ワンストップを途切れさせない
高知市が掲げる「3原則」とは

 こうしたワンストップ窓口のためのネットワークづくりや情報共有していくうえで、弊害になるのが、よく言われる庁内の部署の縦割りだ。

 今回、生活困窮者自立支援法に基づく窓口設置についても、別の部署に情報を隠していたり、「よけいな仕事を増やしたくない」からと引きこもりなどの困難な問題を対象から外そうとしたりしている自治体の話も聞く。

 しかし、高知市の場合、生活困窮者支援に関わる関係各課が横のつながりを持って、背景にある課題に対して包括的な対応を行っていくため、「庁内連絡会」も何度か開催された。

 相談実績の中には、生活保護制度に関する事例が、682件中245件と、全体の約36%を占める。

 うち、情報提供が最も多く152件。生活保護受給中は51件。生活保護を申請するため、福祉事務所に職員が同行した事例も42件に上った。

 これからは、生活保護以外にも、当事者たちの思いや構想を受け止めて、どのように具現化していけばいいのか、生きていくために提供できる情報やノウハウの選択肢を準備していくことが必要だろう。

 高知市では、「総合相談窓口として全ての相談をことわらない」「困難な状況でも当事者への支援をあきらめない」「課題の解決につながるまで投げ出さない」の3原則を目標として掲げる。

 まもなく厚労省から、実施要綱が示される見込みだが、それぞれの自治体の中で、ひきこもり施策との関係性をどのように再構築できるのか、これからの取り組みを注目していきたい。

※この記事や引きこもり問題に関する情報や感想をお持ちの方、また、「こういうきっかけが欲しい」「こういう情報を知りたい」「こんなことを取材してほしい」といったリクエストがあれば、下記までお寄せください。
otonahiki@gmail.com(送信の際は「@」を半角の「@」に変換してお送りください)