あれも必要、これも大切……
結果、持ち運べない防災リュック
最後の3番目は、「多機能防災グッズ」です。
3・11以降、防災グッズをそろえるお宅が増えました。それはとてもいいことだと思います。
子ども世代にとってみれば、ひとつのものにあれもこれも機能がついているものは便利かもしれません。しかし、最新機器同様、それを使いこなせない親世代のいかに多いことか。
「手回し乾電池充電&携帯充電&ライト&ラジオ&スピーカー&目覚まし時計がついてます」──と言われても、いざとなったら使い方がわからない。
「折り畳み式ヘルメット」──確かに場所もとらず便利そうですが、開くのに力がいります。
そもそも、セット売りの防災リュックは、親がいざというときに背負って逃げられる重さでしょうか?
親の安全や健康を考えるのなら、多機能防災グッズをあれこれ買いそろえることよりも、実家をもしものときに備えて片づけ、安全な場所にしておくことのほうが10倍、いや100倍大切です。
さらに粗大ごみとして処分するのもお金がかかります。百害あって一利なし! 「買わない防災」は子ども世代にとってもお財布の心配がなく安心なのです。