オヤジ世代への影響は?

 今回の改革案が実現すれば、(1)により確かにDBの持続可能性は増すかもしれませんが、仮に複雑な仕組みが導入されれば企業の管理負担は増えるでしょう。また(2)によってDCの拠出限度額は事実上増えますから、今まではDBとDCが共存していた年金制度を完全DCに変更してしまう企業が増えると思われます。

 DCのみの制度と聞くと、すべて自己責任になりますから不安を感じるオヤジたちも多いのでは。でも冷静に考えてみてください。DBの場合、会社が存続している限りは会社が保証してくれますが、存続しない場合はその限りではありません。現に事実上の倒産によって受給者と従業員の年金がカットされた大企業の例もあります。今後、右肩上がりの経済成長が期待できず、産業構造もめまぐるしく変わることが想定される中、会社がずっと安泰というのはもはや夢物語です。一方、DCで、自分のDC口座に企業から掛金が振り込まれた時点で原則それは自分のものになります。会社の業績が悪化しようが倒産しようが関係ありません。

 仮にこの改革が実現したとしても、企業によっては経過措置を設けて、オヤジ世代には現在の制度に残る選択肢が与えられる可能性もあります。ただ、30年以上あるかもしれない長い老後生活の間、自分の勤め先が永続できるとは言い切れません。今まではDCは運用リスクの存在から敬遠されがちでしたが、老後の生活を守るためにDCの積極的な活用を検討してみても良いのではないでしょうか。

今回の川柳
改革を うまく活かして 資産形成

※本記事中の発言は筆者の個人的な見解であり、筆者が所属するアライアンス・バーンスタイン株式会社の見解ではありません。