老後
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 昨年夏に、「老後2000万円問題」がメディアで炎上したのは記憶に新しいのではないでしょうか。この炎上では「2000万円」という金額のみが一人歩きしてしまった感がありますが、結果的には多くの日本人が老後の生活資金について関心を持つことになったと言う点では、意味があったと思います。実際、これをきっかけに老後に向けて積立投資を始めた、また老後になってもお金が減るペースを遅くするために資産運用を始めたオヤジたちも多いことでしょう。そんな資産運用を始めたばかりの方にとって、新型コロナウイルスの感染拡大に端を発する株式市場の大暴落はまさに悪夢だと思います。でもこんなときだからこそ、あわてずに基本に忠実に長期で考えることが重要なのです。

 そこで今回は、簡単なシミュレーションを通じて長期運用の基本中の基本である「リバランス」の重要性を再確認したいと思います。

老後に運用しながら引き出す場合は、リバランスをすべき

 最初に、定年退職までに貯めた2000万円を運用しつつ、そこから毎月8万円(株式から4万円、債券から4万円)ずつ引き出す場合を考えてみましょう。ここでは、長期の観点から資産配分は株式50%/債券50%で運用するとし、株式の年率リターンは6%(毎月0.49%)、債券の年率リターンは1%(毎月0.08%)とします。また、株式・債券ともに上述のリターンで毎月着々と増えていくとします(以下、すべてのシミュレーションで同じ期待リターンを使用)。

 ここで運悪く、運用を開始した最初の1カ月間で、今回の新型コロナウイルスの感染拡大のような影響で株式市場が大きく下落し、保有資産が40%目減りしますが、その後は巡航速度で株式・債券ともに着々と増えていく場合を考えてみます。

*老後にゆとりある生活を送るために必要な金額から、夫婦が共働きの場合の平均的な厚生年金額を控除したもの