またもや商社が巨額損失を出した。住友商事がシェールオイル開発に失敗して、2015年3月期決算で2400億円もの巨額損失を計上することになったのは記憶に新しいが、1月26日、今度は丸紅が税引き前で1700億円(税引き後は1200億円)もの減損損失を計上することになった。
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最大の要因は、原油価格の急落だ。原油価格は昨秋から急降下、夏には1バレル100ドルを超えていたWTI原油先物価格は、直近で45ドルと半値以下にまで下がっている。
丸紅が計上する減損のうち、油ガス関連は950億円(税引き前)に上る。原油価格が下落して、北海やメキシコ湾といったプロジェクトの開発コストが賄えなくなったためで、会見したエネルギー部門出身の國分文也社長の口からは、「正直、原油価格がここまで下がるとは思っていなかった」と本音がこぼれた。
しかし、大きなものが他にもあった。13年に買収した米穀物準メジャーのガビロンでも500億円もの損失を計上したのだ。
もともと穀物に強かった丸紅は、ガビロンに約2700億円を投じたが、当時から高過ぎるとの指摘があった。のれん代は1000億円に上り、丸紅の穀物事業とのシナジーにより年間150億円の利益が取り込めると踏んでいたが、結局、100億円にとどまってしまう。「結果として、(ガビロンの買収額は)高値つかみだった」と國分社長も認める。
商社で相次ぐ巨額損失。その背景には、資源バブルで絶好調だった時期にタガが緩み、高値つかみしてしまったことがある。