(3)ドライビングダイナミクス(クルマの動き/車両開発)

 コーナーでの4つのシーン、減速、ターン、コーナーリング、加速での解析を深堀り。減速では、車体が前に沈み込むピッチングで、その中心とドライバーの身体の中心を一致させた。またブレーキの戻り側のコントロール性を上げた。

 ターンからコーナーリング、そして加速では、アクセルペダルに秘密あり。他のマツダ車と比べて、支点は同じだが少し手前側に立っている。さらにペダル表面の厚みを増やしたため、アクセルを戻した状態で、脛(すね)の筋肉が少し緊張する。そのためブレーキからアクセルに踏みかえた状態で、筋肉の緊張を開放するため、結果的に軽くアクセルを踏んでおり、クルマ全体が自然な状態で定常旋回へ移行できる。パワーステアリングを油圧式から電動式に変更し、ステアリングシャフトを直線的な配置として路面からドライバーへの情報伝達性を上げた。

 サスペンションをスムーズに動作させるため、サスペンション自体の軽量化と、車体との接合部分の剛性を上げた。また、リアサスペンションはサスペンションのレバー比(変動比率)を一定とし、さらに横からの荷重変化に対して、タイヤが内側に回ろうとするトーインに設定。

パワートレインの模型。SKYACTIV-G 1.5リッターと新開発の6速MT Photo by Kenji Momota

(4)エンジン、トランスミッション

「アクセラ」で採用されているSKYACTIV-G 1.5Lを、前輪駆動車(FF)向けの横置きから、縦置きに変更。シリンダーヘッドやシリンダーブロック等、エンジンの骨格を新規に設計。また、クランクシャフトは高回転に対応する改良を行った。

 最大トルクは4800rpmで発生するが、2000rpm弱から6000rpm強までの広い回転数領域で、最大トルクの約90%を発生するため、どのような走行シーンでも乗りやすい。

 また、加速度を微分した「ジャーク」という指標に着目。アクセルの踏み込み量に対する加速度の変化を調整し、エンジンの伸び感をより強く感じられるようにした。

 トランスミッションは新設計の6速手動変速機。ストローク(作動量)は、「NA」「NB」「NC」と同じ。操作性を吟味し、スコンと入り、高い剛性感もあるフィーリング。

 音の演出として、低回転域ではマフラーから心地良い音。中回転域では、エンジンの振動成分をデファレンシャルギアの取り付け部分を50g増量することで、車体後部との共鳴を発生させ、その音を車内で聞かせている。さらに高回転域ではマフラー音へとつながる。

 こうした技術的背景をしっかり聞きながら、「なるほど」と何度も膝を打った。