世の中には、「私はこうやって育児をしながらビジネスでも成功しました!」という「体験談」的な情報や講演会は、今の時代、山のようにある。そこに登場する方々は、どなたも素晴らしい方ばかり。仕事も、家庭も両立しているデキる人のお話だから、とっても良い刺激にはなるけれど、一方で「私には真似できない」「ああいう風な人にはなれない」と距離を感じてしまう人もいると思う。

 一方で、ネットなど見ていると、とことん会社にぶらさがってしまえ!と各種の人事制度をフル活用して、会社から個人のメリットだけを受け取ることを勧めているような「ゆるゆるの生き方」をアドバイスするものもある。

 今の時代、そういう価値観もありなのだろう。でも私は読者の皆さまにはお勧めはしない。なぜなら、Win Winの関係でないものは、所詮長続きせず、早晩、破たんするからだ。また、何よりあなた自身の自己イメージを傷つける可能性が高い。

 人は、社会や他者に対して役立っていると実感が持てたほうが幸せだと感じる。会社から「もらうだけ」では、経済的には「得をした」と考えることができても、心からの喜びや幸せを感じることはできないと思う。

 なので、私は、バリバリでもゆるゆるでもなく、「普通に」働いていて、でも、周囲からそれなりに感謝され、サポートされ、なんだかとても幸せそうな人たちに焦点をあてて、コンピテンシーを作った。

 次回からは、3回にわたって、対人関係、効率向上、マインドのそれぞれのコンピテンシーについてより具体的に解説する。

「子どもに寂しい思いをさせてまで、仕事を続ける価値あるのかな」
 「家族に負担をかけていて、申し訳ない」
 「職場の上司や同僚に迷惑をかけて、後ろめたい」
 「必死でやっているけど、どれもこれも中途半端で、きちんとできない。いったい、私は何をやっているんだろう??」

 もし、そんな考えが頭をよぎったことのある方がいたら、ぜひ読んでほしい。ワークライフバランスの達人(といっても普通の人々)の思考・行動特性を知ることで、きっとなんらかのヒントが見つかるだろう。

 あるいは部下や同僚、パートナーがワークライフバランスに悩んでいるという方にとっても、参考になるヒントがお伝えできれば、幸いである。

※次回は2月13日(金)公開予定。「対人関係」コンピテンシーについて解説します。