標準化についてはそれぞれ、国際標準化機構(ISO)の水素関連専門委員会(テクニカルコミッティ[TC]/技術委員会197)、国際電気標準会議(IEC)のTC105、そしてISOで自動車関連の協議を行なうTC22におけるSC(サブコミッティ/分科委員会)21で協議される。さらに、自動車技術標準化で極めて強い影響力を持つアメリカ自動車技術会(SAE)の燃料電池部会が関与する(出典:燃料電池技術・一般社団法人 燃料電池開発情報センター編・日刊工業新聞社発行)。

 こうした各種標準を下地として、アメリカ、欧州、そして日本が、それぞれ立場で産業振興や社会への影響を考慮して、WP29の場で「すり合わせ」を行なう。

日本自動車工業会の発表資料。日欧に対して、アメリカの動きが先読みできない状況
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 今回、日本自動車工業会が提示したスライドの後半に、燃料電池車のGTRのフェイズ1(2013~2015年)における協議の進捗状況が示された。そのなかで日欧に関しては詳細の記載があるが、アメリカは詳細の記載がなく、「FMVSS will be proposed in 2015???」(米国自動車安全基準は2015年に提案されるのか???)と明記した。クエスチョンマークが3つ並んでいることが、アメリカの動きがいかに先読みできないかを象徴している。

 となると、フェイズ1の先にある、2021年を見越したフェイズ2がどうなるのかは、アメリカの出方次第になってしまう。

 ではどうして、アメリカは燃料電池車に対して保守的なのか?

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