「自分はコミュニケーションが上手い」
と勘違いしている男性は多い
五百田 たとえば会社では「おい山下、これやっとけ」、家に帰ると「疲れた、お風呂沸かしてくれ、ご飯つくってくれ」だけで生活ができる亭主関白もいまだに多いので、自分はコミュニケーションが下手だとは思わないわけです。でも職場の女性や恋人、奥さんはコミュニケーションを「時間をかけてお互いの心を通わせること」と捉えています。
そこで男女の間にディスコミュニケーションが生じるわけですね。このズレが生じる根本的な原因を「恋愛/セックス」「結婚/家庭」「仕事/職場」の三つのシチュエーション別に説き明かしたつもりです。
――『察しない男 説明しない女』には、異性への話し方が具体的に「ひとくち男女語会話」として各項目ごとに紹介されていますね。
五百田 ある種の「スキル」として実際の生活に役立つことも意識しました。繰り返しになりますが、ビジネス書として男性にも手に取ってもらいたかったんです。特に「仕事/職場」のパートでは職場でのコミュニケーション、特に女性の部下や同僚とうまくやるための簡単なコツも多く入れるようにしました。実際に職場で使ってもらいたいですね。
この本の内容は、決して表面的な男女のすれ違いの話ではなく「自分とは異なる考え方をする相手とどう分かり合うか」という誰しもが抱える問題を扱っています。男性・女性、職場・プライベート、両方に届くものにしたかったんです。
――最後に、五百田さんが影響を受けた本を教えてください。
五百田 男女の違いというところでいうと、『会社のルール 男は「野球」で、女は「ままごと」で仕事のオキテを学んだ』には影響を受けました。「そうだったのか!」という目からウロコの視点が満載で、「職場の男女」を意識するきっかけとなった本です。
いっぽう、恋愛をテーマとした本だと、AV監督の二村ヒトシさんが書かれた『なぜあなたは「愛してくれない人」を好きになるのか』は、恋愛心理の決定版です。いわゆる恋愛マニュアル的な内容は一切書いてありません! 深く静かな考察で「恋とは何か?」を分かりやすく解き明かしているので、男性にも女性にもオススメできます。
――ありがとうございました!