薬剤服用歴管理指導料は、(1)~(5)をすべて行った場合が、処方せん1回につき410円。本コラムで再三取り上げているように、(3)のおくすり手帳への記載をしなかった場合は340円。患者は、年齢や所得に応じて、このうちの1~3割を自己負担する。

 おくすり手帳への記載があるか、ないかで料金に差はつくものの、(2)薬歴の記録は薬剤服用歴管理指導料をとるための必須要件だ。これを記載しないで、患者や健康保険にはお金だけ請求していたのだとしたら、調剤報酬泥棒といわれても仕方あるまい。

 だが、お金より、もっと怖いのが健康への影響だ。

健康被害から守るはずの
薬剤服用歴なのに

 薬は、正しく服用すれば効果を発揮し、病気やケガの回復を助けてくれる。しかし、飲み合わせが悪いと、1993年に起きたソリブジン事件のように、複数の死者を出すような大きな事故に発展することもある。

 薬歴は、こうした健康被害から患者を守るための重要な情報だ。

 医療費を健康保険に請求するためのレセプト用のコンピュータを使えば、薬を処方した医師や医療機関、医師が発行した処方せんの内容、薬局が薬を出した調剤内容といった「調剤録」は作成されるが、それだけでは薬歴ということはできない。

 調剤報酬をとれる「薬剤服用歴」というからには、次のような内容も合わせて記録しなければいけないことになっている。

・患者の体質・アレルギー歴・副作用歴
・患者や家族から相談を受けた場合は、その内容のポイント
・服薬中に体調の変化があったかどうか
・飲み残した薬があるかどうか
・併用している薬やサプリメント
・合併症など、これまでの病歴
・他の医療機関への受診状況
・副作用が疑われる症状はないか
・服用している薬との相互作用が認められる食べ物や飲み物
・ジェネリックを使う意志があるかどうか
・おくすり手帳による情報提供をしているかどうか