生き急ぎ過ぎると
学びのチャンスさえ失う

 もちろん30歳を超えたらチャレンジの機会がなくなる、なんてことはありません。確かにアイビーリーグでMBAを取得し戦略コンサルタントになるなら27~28歳くらいで留学したほうがよいでしょう。しかし、一般的には30歳を超えてからMBA留学してもまったく遅くはありません。

 昔から「生き急ぎ症候群」はアグレッシブな若者のなかに見られました。とくに女性の場合、出産や育児でキャリアが中断したり、人生における仕事のシェアが低くなったりするという現実があるため、男性よりも「生き急ぎ」感が強くなる傾向があります。

 生き急いでいる人とは、裏を返せば実現したい夢や高い志がある人で、自分のなかで期限を決めて突っ走ることも素晴らしいと思います。ただ、焦り過ぎるといま目の前にある素晴らしい学びの環境に気がつかず、そこにエネルギーを注ぎきれなくて学びのチャンスを失ってしまう。そういう残念なケースを目にすることが最近はよくあります。

「そんなフワフワした気持ちでいたら仕事に腰が入らず、学べるものさえ学べなくなってしまう。将来のことにエネルギーを注ぐのもいいけれど、やはり目の前の仕事に思い切りエネルギーを注ぎ、吸収できるものをすべて吸収してしまうことが大事ですよ」

 相談にきた女性にはそうお伝えしました。一言でいえば「地に足をつけよう」です。

将来、仕事を広げるチャンスは
目の前の仕事のなかにある

 仕事の広がりの起点になるのはいま、あなたがやっているその仕事です。

 ある著名なフレンチ料理のシェフは「皿洗い一つをとってもできる人、できない人は全然違う」と話をしていました。