相模原市議会で議員の質問が
ノルマ制になった本当の理由

 議員に一般質問を事実上のノルマにしている珍しい地方議会がある。神奈川県相模原市議会だ。

 相模原市議会では、48人いる議員の半数ずつ(議長、副議長を除くので23人)が年4回の定例会ごとに、一般質問することになっている。つまり、全議員に年2回の一般質問を事実上、義務化しているのである。2007年の6月議会から始まったもので、毎回一般質問する仕事熱心な議員の存在が、導入のきっかけとなったと言われている。特定の議員に毎回質問させないように、新方式が採用されたというのが実態のようだ。真面目な議員ばかりが質問して議会だよりなどで目立つのは、癪にさわると考えたようだ。

 相模原市議会を15年近くウォッチしている「相模原市議会をよくする会」の赤倉昭男代表は、「これまで毎回一般質問していた議員は新方式の導入に当初は反発しましたが、このシステムが経過するうちに毎回やらなくて済む゛楽゛を覚えたのか、おとなしくなりました。それまでさぼっていた議員も゛年2回ならいいか゛という感じでやっています。この方式も、楽して議員生活を過ごそうという魂胆からでしょう」と冷静に分析する。

 質問や意見表明の自由を縛ることがおかしいのであって、義務化するのも筋違いである。そもそも、議場で語るべきものを持たない人や語れない人は議員になってはならないし、議員に選んではならない。もの言わぬ議員が議場に存在すること自体、あってはならないことだと考える。しかし、そのあってはならない議員ばかりという沈黙の議会も少なくない。

 福岡県大任町議会の3月定例会が昨日(9日)に開会し、11日まで開かれる予定となっている。この大任町議会に全国の地方議会関係者の注目が集まっている。現時点で議員から一般質問の事前通告はなく、大記録の更新が確実視されている(通告の期限は10日正午)からだ。

 実は、大任町議会は全国屈指の゛沈黙の議会゛として知られる。人口5438人(2014年末)の大任町の議員定数は、11人(現員10人)。どういう訳かもの言わぬおとなしい議員ばかりで、町議会での一般質問は2010年の3月定例会の1人が最後となっている。