さとう だいご/1973 年大阪府堺市出身。大阪大学法学部在学中に起業。企業でのインターンシップ導入支援事業や、商工会議所主催「段取り力検定」を立ち上げるなど、企業合併を経つつ一貫してキャリア教育事業に携わる。 また、NPOを財政面から支援する「チャリティ・プラットフォーム」、英国発世界最大級の寄付仲介サイト「JustGiving」日本版を設立するなど、日本における寄付文化創造に取り組む。早稲田大学客員研究員、鳩山政権時の内閣府政策調査委員(新しい公共担当)。最新著作は小社刊『1.21人に1人が当選! "20代、コネなし"が市議会議員になる方法』
「社会に貢献したい!」という志ある若いビジネスパーソンの転職先として、“市議会議員”という選択肢もあるということを、前編、中編とお話してきました。市議会議員を職業と考えれば当然、報酬や手当てなどの待遇も気になるところです。
市区町村議員の報酬は自治体によってかなり異なっています。まず月額報酬の高額上位を見てみましょう。
(1)神奈川県横浜市 97万円
(2)大阪府大阪市 96.9万円
(3)兵庫県神戸市 93万円
(4)京都府京都市 91.2万円
(5)愛知県名古屋市 89万円
逆に低額上位は以下のようになっています。
(1)長野県谷平村 8.48万円
(2)沖縄県渡嘉敷村 9.4万円
(3)長野県売木村 9.7万円
(4)長野県王滝村 9.96万円
全国平均は30万4818円、年収ベースではこれに期末手当(賞与)が加わります(2008年度。拙書『1.21人に1人が当選! “20代、コネなし”が市議会議員になる方法』には、全地方自治体議員の月額報酬を載せています)。
決してラクではない懐事情
やりがい重視で働ける人にこそ
世間では「議員=高給取り」のイメージがありますが、実態は違っています。埼玉県和光市の例で見てみましょう。市議会議員の報酬月額は34.7万円ですが、議員年金の掛金と所得税が引かれますので、実際の振込額は24.1万円。ここから国民年金と健康保険、地方税を支払うと、実際の手取額は17.7万円になります。実際の手取りがこの額では、月々の家賃や生活費はもちろん、議員活動を市民に報告するビラ・チラシ代、交通費、勉強代などの算出は容易ではありません(和光市の政務調査費は月額2万円まで。政務調査費については後述します)。